古備前 優品(17)下蕪耳付花入
古備前コレクターの『Hコレクション』より優品を紹介します。 |
下蕪耳付花入
桃山時代の花入です。桃山時代と鑑定されましたが、私はもう少しさかのぼり室町時代ではと思います。 備前ではあまり類型のない形で、伊賀焼の作風で、注文で特別に備前で制作したと考えます。 下蕪のところや胴に所々ある赤い抜け色、耳に掛かった胡麻。 窯のどんな所に置いて焼成したらできるのかといろいろ想像が膨らむ作品です。 |
高台脇の最初に輪積みしたところを普通でしたら撫でて仕上げるのですが、わざと残しています。 見込みは茶碗の兜巾(ときん)のように盛り上がっています。 高台脇の処理、上部に巡らした力強いヘラ目、スッキリとした耳。
好みもあるでしょうが、古備前の花入として最高の作品と言っても過言ではないと思います。 備前焼を多く収集している年配の女性が、いみじくも「スーパーモデルじゃあなぁ」と言ったとか。
名品は今までに図録に載っていたりするのですが、多分皆様も初見、生出しと思います。 なお、10月2日から赤穂線伊部駅前の「備前焼ミュージアム」に展示されます。 実物が見れますので、ご期待ください。
この手の花入は掛花入として作られているので、両側に花環釘を取った後を漆で埋めた跡が残っています。 |
岡山県備前焼陶友会鑑定より
高さ28.8㎝ 口径9.9㎝ 胴径14.7㎝ 底径9.8㎝
陶印 底に2カ所有り
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備前焼のオンラインショップ|興楽園
興楽園では、備前焼の湯呑みやお皿、花瓶や徳利などをメインに制作・販売しております。当窯元は江戸時代から16代続く伝統ある窯元です。現代の生活の中に寄り添い、溶け込むような作品を意識し制作に励んでおります。当窯元の製品を、心安らぐひと時や、大切な人との時間のアクセントとしてお使い頂く事をおすすめします。
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