備前焼の特徴・特性(4 続き)
前回は、徳利、酒器について書き過ぎました。「氏より育ち」備前焼を使う注意点を書きます。
備前焼を育てるために
窯出しの後、私たちが最初にすることは、手入れです。
布ペイパーとかヤスリを使って、焼き物全体を磨いていきます。
これが結構大変な作業です。例えば、食器特に口をつけるカップ類と花入では、異なります。
カップ類では、制作の時も口当たりを相当気を付けているのですが、手入れの時もある程度細かく磨きます。
しかし花入になると、磨き過ぎると本来の表情を失くす事になるので、頃合いが難しいです。
窯変とか転がしとか呼ぶ灰の中に埋もれる状態で窯出しをする作品は一点の手入れに数時間かけるものもあります。
そのあと、水溜め、検品です。
最初に
まず、備前焼を使い始める時の扱い方です。
陶器では使い初めに「目止め」(米のとぎ汁や片栗粉で土の粗い目をふさぐ事)を薦める作家が多いです。
しかし、備前焼のような炻器では必要ありません。
ただ、鍋などで常温の水に備前焼を入れて沸騰させ、また常温まで冷ますことはお勧めします。割木で焼成しているので、灰、炭が付いていると思われます。
普段の扱い方
よく聞かれることは、「電子レンジ、食器洗浄機、オーブンレンジ」は使えますか、という質問です。
食器洗浄機は不可となります。割と高温の湯を噴射し急激に温度が変化することと、それから機内で固定され難く食器同士がぶつかると思われるからです。
オーブンレンジも不可です。もともと備前焼は耐熱の焼物ではありません。
電子レンジですが、温めるだけなら可と思います。しかし最近の電子レンジは140℃まで上げる能力になっているそうです。油分が多い食材だとちょっと危険です。
まず、備前焼は、調理具ではないと考えたほうが無難です。
備前焼に料理を盛り付ける前に、水・お湯にくぐらせてください。
濡れた状態の備前焼は本当にきれいで、料理が映えて見えると思います。
料理屋さんでも、食器に霧吹きしてから盛り付けをしている店が多くあります。
ひと手間余分ですがお勧めします。
私は、美術館などに展示している状態の焼物は乾燥していて最も見栄えの良くない時と思っています。
使った後の手入れ
丈夫な備前焼は、使用後の手入れはあまり注意することはありません。
洗う時、スチールたわしは厳禁です。普通と同じように洗剤を使い、スポンジ、たわしなどで洗い、よく乾燥させてかたずけるので十分です。
陶器の丈夫さと、磁器の耐水性の良さの両方を兼ね備え、使い込むほどに色味が変わり、味が出てくるのが備前焼の特徴と思います。「氏より育ち」です。
お読みいただきありがとうございました。
備前焼のオンラインショップ|興楽園
興楽園では、備前焼の湯呑みやお皿、花瓶や徳利などをメインに制作・販売しております。当窯元は江戸時代から16代続く伝統ある窯元です。現代の生活の中に寄り添い、溶け込むような作品を意識し制作に励んでおります。当窯元の製品を、心安らぐひと時や、大切な人との時間のアクセントとしてお使い頂く事をおすすめします。
屋号 | 興楽園 |
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住所 |
〒705-0001 岡山県 備前市 伊部 667 |
営業時間 |
9:00~17:00 定休日:年末年始のみ |
代表者名 | 木村 茂夫(キムラシゲオ) |
info@kyourakuen.net |