備前焼の窯変(2)
備前焼は施釉した陶磁器にみられる表面的に華やかさはありません。
ただ、長時間焼成するので地肌に色々な様々な変化が見られます。これらが窯変です。
胡麻に続き、桟切(さんぎり)について書きます。
桟切(さんぎり)
桟切には2種類あります。『自然桟切』と『炭桟切』です。
どちらも作品の部分が還元炎焼成されることでできます。
自然桟切
昔からあるのは『自然桟切』で単に『桟切』と呼ばれます。
窯の中で、灰や炭が溜まりやすい場所があります。
江戸時代末期から現在まで窯の構造は連房式登り窯というもので、いくつかの部屋に別れています。
部屋と次の部屋を結ぶ火が通る穴(「すあな」と言います。)があります。ここには灰や炭が溜まりやすいです。
また最初の部屋(「うど」といいます。)では燃料の半分以上を使うので、灰や炭が溜まりやすいです。
それから焚口がある所の下部にも灰や炭が溜まりやすいです。
このような場所に作品を置いておくと、灰・炭に埋もれて、作品の胎土から酸素が奪われ部分的に還元焼成となります。
ここが灰色や少し黒みを帯びた灰青色になります。これが『桟切』です。
「すあな」の自然桟切場合、前の部屋から飛んできた「ごま」で片身替りの趣のある焼けとなります。
次回は『炭桟切』について書きます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
備前焼のオンラインショップ|興楽園
興楽園では、備前焼の湯呑みやお皿、花瓶や徳利などをメインに制作・販売しております。当窯元は江戸時代から16代続く伝統ある窯元です。現代の生活の中に寄り添い、溶け込むような作品を意識し制作に励んでおります。当窯元の製品を、心安らぐひと時や、大切な人との時間のアクセントとしてお使い頂く事をおすすめします。
屋号 | 興楽園 |
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〒705-0001 岡山県 備前市 伊部 667 |
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代表者名 | 木村 茂夫(キムラシゲオ) |
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