備前焼の窯変(5)
牡丹餅
備前焼は施釉した陶磁器にみられる表面的に華やかさはありません。
ただ、長時間焼成するので地肌に色々な様々な変化が見られます。これらが窯変です。
備前焼では、絵付けや模様を描いたりしません。
そこで、窯に作品を入れる時に色々な工夫をして作品の表面に表情を出します。
その一つが、『牡丹餅』といわれるものです。
大正時代に金重陶陽が棚組を考案するまでは、窯に詰める時重ねていました。
大窯の図を見ると甕のようなものを3個から4個を口と口、底と底と重ねています。
窯のスペースを最大に利用しているのです。
また、甕の口を陶板を置きその上に花入や徳利を置いて焼いています。
いわゆる匣蓋ですが、その陶板の焼けは見事な焼け色をしています。
そこから、皿や手鉢などに意識して徳利や小壺を置いて焼くようになります。
現在では、トモ土や耐火度の高い童仙房で煎餅を作り、置くことが多くなりなりました。
皿の上に稲藁を置き煎餅を置きます。桟切や胡麻の焼けに、緋襷が加わり変化のある表情になります。
古備前の擂鉢は何枚も重ねて焼成しているので、ほかの作品とくっ付き傷のようになっているのが当たり前ですが、今では「傷物」と評価されるので、あまり大胆な窯詰が出来にくくなっているのは、残念です。
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備前焼のオンラインショップ|興楽園
興楽園では、備前焼の湯呑みやお皿、花瓶や徳利などをメインに制作・販売しております。当窯元は江戸時代から16代続く伝統ある窯元です。現代の生活の中に寄り添い、溶け込むような作品を意識し制作に励んでおります。当窯元の製品を、心安らぐひと時や、大切な人との時間のアクセントとしてお使い頂く事をおすすめします。
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