備前焼の狛犬(6)日吉神社(湯迫)
備前焼の狛犬(6)
古人の備前焼造形物として、見ることが容易な物に「狛犬」があります。
6回目は岡山市湯迫にある日吉神社です。
日吉神社 岡山市中区湯迫695
この日吉神社は3回目で紹介した日吉神社と名前も一緒ですし、距離も1キロメートルも離れていません。
この神社のある湯迫山浄土寺は、賞田の日吉神社がある脇田山安養寺と同じ天台宗で、両寺院の創建も同じく天平勝宝年間です。
この辺りには賞田廃寺跡(7世紀前半創建)や幡多廃寺塔跡もあり古代吉備の中心地の一つ推測されています。
今は小川が流れ落ち着いた住宅地ですが、当時は華やかだったようです。
湯迫温泉白雲閣の所を北に上るとすぐ浄土寺です。駐車場の横に日吉神社はあります。
境内に入ってすぐ狛犬は坐しています。
右に「阿形」の獅子。 高さ98㎝ (小出公大 備前焼の狛犬 より)
体の筋骨は隆々とは言えませんが、いい顔をしています。
また顔を少し門の方に向け小首をかしげたようで可愛いです。
襟毛、尾の細工も深く丁寧です。
左に「吽形」の狛犬。 高さ105㎝ (小出公大 備前焼の狛犬 より)
やはり大人しい体つきですが、丁寧な細工が施されています。
制作年は明治25年ですが、作者は不明です。いずれも名工の作と感じました。
創建年代は不詳である。上古近江国の日枝の山から、大山咋神を奉遷して、産土神したと社記にある。 岡山県神社庁 HP より |
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参考文献 小出公大著 備前焼の狛犬ーそのユニークな形姿を訪ねるー