古備前 優品(7)肩衝茶入
古備前コレクターの『Hコレクション』より優品を紹介します。
肩衝茶入
村田珠光以降の国産の諸道具を用いた侘茶の流行と共にその心を現した焼物として備前焼も取り上げられました。
備前焼では、水指・建水・花生・茶入・茶盌と多種にわたります。
天正年間(1573年~1592年)の茶会では備前焼は和物陶磁器の半数以上を占めています。
桃山時代の肩衝茶入(かたつきちゃいれ)です。
横に縦に箆目が入り織部好みの力強く存在感のある茶入れです。
その器形と降りかかった胡麻が素晴らしくマッチしています。
底はアバタ底で、底についた灰が胡麻になり、またロクロと離すために底の脇に強い箆跡が残っています。
アバタ底の教科書のようです。
私自身はそんなには古備前茶入は見ていないのですが、織部好みの茶入として一級品と思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
参考:目賀道明 備前焼の系譜 |