古備前 優品(8)壺
古備前コレクターの『Hコレクション』より優品を紹介します。
壺
室町時代の小振りな壺です。
備前焼は時代によって「山土」「台地の土」「ヒヨセ」と変遷しますが、いずれもこの粘土を焼き締めると堅牢で摩耗しにくく、また水を腐らせないという特徴・特性があります。
このことから、水甕、穀物甕、壺、擂鉢は備前焼の歴史の初期から生産されました。
この壺は、ロクロの上で棒状の粘土を作りたい器形に合わせて積み上げてゆき、最後にロクロを廻しながら器形を整える「輪積み」の技法で作られています。
大甕など大物は粘土を締めるために器形を整えるときに木箆を使うのですが、この壺は布のようなもので整えているので、ロクロ目がはっきりと残り、小品ながら力強さがあります。
室町時代後期にはこの手のつ壺の口を変化させ「片口」状にしたのもが多くありますが、この壺は素直な口作りでまた結構大きな石を噛んでおり、室町時代でも中期の作と私は感じました。
底はアバタ底です。
もともとは種壺とおなじように雑器と思いますが、早い段階で花活に取り立てられたと思います。
判りにくいですが、肩に陶印があります。
岡山県備前焼陶友会の鑑定書より、
高さ15.0㎝ 口径10.5㎝ 胴径15.4㎝ 底径12.1㎝
陶印 肩に # 有り (縦2本の棒が左上から右下に傾いています。)
古人の技巧を凝らさないに美意識に感服しました。
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