備前焼の狛犬(10)鶴海八幡宮
備前焼の狛犬(10)
古人の備前焼造形物として、見ることが容易な物に「狛犬」があります。 10回目は備前市鶴海にある八幡宮です。 |
鶴海八幡宮 備前市鶴海3712
備前市の南に位置する鶴海集落の東の山上にこの鶴海八幡宮は鎮座しています。
鶴海地区の氏神様とされています。
南側が本来の参道になっていますが、東の㈱クラレ鶴海事業所あたりから社殿近くまで自動車で登れる山道が作られ、それを利用しました。
山上の社殿にしては本殿・拝殿と整えられ立派な神社です。
参道から境内に上がった所に狛犬は坐しています。
右側に阿形の獅子。高さ104㎝ (小出公大 備前焼の狛犬 より)
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左に吽形の狛犬。高さ104㎝(小出公大 備前焼の狛犬 より) |
両像とも手の込んだ細工に筋骨隆々とした姿でりっぱです。
制作は明治4年で、作者は木村新七良貞清です。 木村新七良貞清は、明治4年に没しているので最晩年の作となります。
この神社には拝殿前の広場から少し降りたところにある随身門の所にも狛犬が坐しています。 右に阿行の獅子。高さ82㎝(小出公大 備前焼の狛犬 より) |
大きく口を開き少し右足を出したような姿で、自然釉の胡麻がたっぷりかかっています。
左に吽形の狛犬。高さ83㎝(小出公大 備前焼の狛犬 より) |
両像とも大きな耳とたっぷりと掛かった胡麻が特徴でしょうか。 それと吽形の狛犬は出っ歯に見え、可愛いですね。
尚、この神社に合祀している住吉神社は、片上湾に浮かぶ住吉島にありこの島全体が神域とされたため、ウバメガシが繁殖し島嶼部の原生林として貴重で県指定天然記念物になっています。 |
仲哀天皇が海路で九州に御親征なさったときご避難せられたので現在の地に男山八幡宮を勧請奉祀したと伝えられている。明治四十二年住吉島に鎮座の住吉神社を合祀した。池田家から八幡宮に二斗七升、住吉神社に五斗二升の寄進があった。
岡山県神社庁HPより
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参考文献 小出公大著 備前焼の狛犬ーそのユニークな形姿を訪ねるー 相原武弘著 備前宮獅子ー全国の備前焼宮獅子を訪ねてー |