備前焼の狛犬(11)於奠神社
備前焼の狛犬(11)
古人の備前焼造形物として、見ることが容易な物に「狛犬」があります。 11回目は赤磐市可真下の於奠神社です。 |
於奠(おまつり)神社 赤磐市可真下523
三角屋根の赤磐市立磐梨小学校の北、県道町苅田熊山線を熊山ジャンクション・ネオポリスの方へ西進し、セイテック本社の所を北に曲がった正面にこの神社は鎮座しています。 実はこの神社からセイテック本社・道路・可真川を通り越し、さらに南にいったところに一の燈籠があります。 広い社地を持っていたことが解ります。
祭神は於奠大神で、その地域の鎮守の社です。
本殿に向かう燈籠と石造の鳥居の間に狛犬は坐しています。 本殿・拝殿にむかって左に阿形の獅子。高さ102㎝(小出公大 備前焼の狛犬 より) |
一般的な狛犬の配置と左右が逆になっているのです。
右に吽形の狛犬。高さ101㎝(小出公大 備前焼の狛犬 より) |
阿形の獅子は、ふっくらと盛り上がった襟髪。吽形の狛犬の顎の毛。 両像とも頭・体・尾のバランスもとれていて、また細部まで丁寧に作られて、出来の良い狛犬です。
制作年は昭和11年(1936年)で作者は不明です。 |
当神社の主祭神は於奠大神で、御神徳は「安産祈願成就と家内安全」である。
摂末社に「稲荷神社」「住吉神社」「天満宮」を祀っている。旧号は於奠神社、中古以来王八幡宮、明治2年正八幡宮と称したが、翌3年もとの於奠神社に復称した。
一の燈籠からほぼ真北に360メートルの直線道路があり、これが神社の鳥居正面に向かっている。このように長い直線道路が神社正面に向かっている形態は、備中一宮(吉備津神社)と同じ配置であるともいわれている。昭和初期までこの直線道路両側に見事な植松があり地元の人は「馬場の植松」と呼び地区中央にあった一本松とともに可真下の心の拠り所、誇りであり、「下真の植松」として近郷に知られた美しい景観であった。岡山県神社庁HP より一部抜粋
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参考文献 小出公大著 備前焼の狛犬ーそのユニークな形姿を訪ねるー 相原武弘著 備前宮獅子 |