古備前 優品(14)水指
古備前コレクターの『Hコレクション』より優品を紹介します。 |
水指
江戸時代に入ると、釉薬陶・磁器の興隆に伴い「きれいさび」の風潮が広がってきます。 備前焼も水簸土の使用、水挽ロクロ制作の薄作りとなってきます。 また、塗土(ロクロ成型後鉄分を多く含んだ土を表面に塗る)の技法を使い、褐色・漆黒で金属的な質感の作が増えてきます。いわゆる「伊部手」と言われるものです。 |
この水指は塗土を施した伊部手の水指です。 一カ所縦に凹ませています。おそらく木製ヘラでなく指を使ったように見えます。 カセ胡麻が掛かってまた一部が胡麻ハゲになり趣があります。 おとなしい姿に胡麻ハゲ、しっかりと作られた蓋受けなど佳品です。 |
アバタ底(ロクロの上に灰・共土を敷き底にする薄い粘土を置き周囲に粘土を積み上げていき成形する。) になっていて3カ所陶印が入っています。 その点から、この水指は桃山時代後期から江戸時代初期の作と思います。 |
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