備前焼の狛犬(32)沓掛天神宮
備前焼の狛犬
32回目は、備前市伊部にある履掛天神宮です。
履掛天神宮 備前市伊部1559
備前焼の里伊部を流れる不老川沿いにこの神社は有ります。 伊部駅前の国道2号を渡り、斜め左の道を200mほど進んだ北側に鳥居が見えます。
祭神は菅原道真で、菅原道真が大宰府に左遷された時の道中に休憩し、その時履を置かれたという故事があります。 東の天津神社に対して、西のお宮とも呼ばれています。
鳥居の所に狛犬は座しています。 右に阿形の獅子。 高さ95cm(小出公大 備前焼の狛犬より) |
左に吽形の狛犬。 高さ90cm(小出公大 備前焼の狛犬 より) |
阿形の獅子は耳が後に垂れ下がっていますが、吽形の狛犬は真下に垂れ下がっています。 毛は約束通り阿形は巻き、吽形は垂れています。 |
安政2年(1855年)の制作で作者は、阿形が木村平兵衛貞幹、吽形が木村儀三郎貞家と 木村杢助貞直です。 |
木村平兵衛貞幹(~文久1年没)は木村儀三郎貞幹として有名ですが、平兵衛は家督を息子に譲った後に名乗ったと思われます。木村儀三郎貞家は木村儀三郎貞愛(~明治13年没)のことと思われます。また木村杢介貞直は儀三郎貞愛の弟木村真平貞有(貞直)と思われます。
いずれにしても、備前焼の里に置くだけに精魂込めて制作したことでしょう。 堂々とした立派な狛犬です。 |
本神社の設立年代は不詳であるが古老の言い伝えによると菅原道真西下の時、休憩せられた後に菅公を奉祀し履掛天神宮と称した。
履掛天神宮と称した。境内に公の履を掛けられた大石がある。今でもこの石を崇拝している。古くは伊部村を菅原の庄と称したのもこの古事に因るものである。岡山県神社庁 HP より
最後までお読みいただきありがとうございます。
参考文献 小出公大著 備前焼の狛犬ーそのユニークな形姿を訪ねるー 相原武弘著 備前宮獅子 |
備前焼のオンラインショップ|興楽園
興楽園では、備前焼の湯呑みやお皿、花瓶や徳利などをメインに制作・販売しております。当窯元は江戸時代から16代続く伝統ある窯元です。現代の生活の中に寄り添い、溶け込むような作品を意識し制作に励んでおります。当窯元の製品を、心安らぐひと時や、大切な人との時間のアクセントとしてお使い頂く事をおすすめします。
屋号 | 興楽園 |
---|---|
住所 |
〒705-0001 岡山県 備前市 伊部 667 |
営業時間 |
9:00~17:00 定休日:年末年始のみ |
代表者名 | 木村 茂夫(キムラシゲオ) |
info@kyourakuen.net |